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クーリングオフ制度が定着して随分経ちますが、実生活でこれを利用された方は少ないと思います。世の中が、消費者中心主義に移行している現代では、ますますこの制度が重要になってきています。これを機会に、賢い消費者に変わりませんか?




一言で定義をするなら、クーリングオフとは、法定期間内であれば、消費者が無条件に申し込みの撤回や契約の解除を行える制度です。

この制度は、訪問販売や電話勧誘販売等の法律で規制されている契約において、購入した商品・サービスについて頭を冷やして良く考え直す(英語でいうところの、COOLINGOFF)期間を消費者に与え、法定期間内であれば、消費者が事業者との間で締結した契約を理由の問わず無条件に申込みの撤回や契約の解除ができるものです。

上記の内容からお分かりになる通り、弱者である消費者の保護に重きを置いた制度であるといえます。



クーリングオフをすると、強力な効果が生じます。以下がその効果です。
@ その契約は無効になり、違約金や損害賠償金を契約相手である販売業に支払う義務がなくなります。
A 頭金、申込金等の金銭を支払っていた場合には、その返還請求をすることも可能になります。
B 商品が手元にある場合には、消費者ではなく、販売業者の負担で返品することが可能です。
このように、効果は、大きく3点あります。消費者は一方的に契約解除できるうえ、損害賠償金や違約金もなく、また取引費用すらかからないので、消費者にとって最も有効な救済制度です。


「何でもクーリングオフの対象になるのか?」と言われると決してそうではありません。この点が、制度をややこしくしていると言えます。下記のものが対象です。

  クーリングオフできる商品、役務、権利

  クーリングオフできる商品
1 動物及び植物の加工品でいわゆる「健康食品」等と呼ばれているもの(医薬品を除く)
2 犬、猫、熱帯魚等鑑賞用動物
3 盆栽、鉢植えの草花等鑑賞用植物(切り花、切り枝、種苗を除く)
4 障子、雨戸、門扉等建具
5 手編み毛糸、手芸糸
6 不織布、幅13cm以上の織物
7 真珠、貴石、半貴石
8 金、銀、白金等貴金属
9 太陽光発電装置
10 ペンチ、ドライバー等作業工具、電気ドリル、電気のこぎり等電動工具
11 家庭用ミシン、手編み機械
12 ぜんまい式タイマー、家庭用ばね式指示はかり、血圧計
13 時計
14 望遠鏡、双眼鏡、生物顕微鏡
15 写真機械器具
16 映画機械器具、映画用フィルム(8mm用のみ)
17 複写機、ワードプロセッサー
18 乗車用ヘルメット等安全帽子、繊維製避難はしご、避難ロープ、消火器、消火器用消火薬剤
19 火災警報器、ガス漏れ警報器、防犯警報器その他の警報装置
20 はさみ、ナイフ、包丁等利器、のみ、かんな、のこぎり等工匠具
21 ラジオ受信機、テレビジョン受信機、電気冷蔵庫、電気冷房機等家庭用電気機械器具、照明器具、漏電遮断器、電圧調整器
22 電話機、インターホン、ファクシミリ装置、携帯用非常無線装置、アマチュア無線用機器
23 超音波を用いたねずみ等の有害動物駆除装置
24 電子式卓上計算機、電子計算機とその部品、付属品
25 乗用自動車及び自動二輪車(原動機付自転車を含む)とその部品、付属品
26 自転車とその部品、付属品
27 ショッピングカート、歩行補助車
28 れんが、かわら、コンクリートブロック、屋根用パネル、壁用パネル等建築用パネル
29 眼鏡とその部品、付属品、補聴器
30 家庭用医療用吸入器、電気治療器、バイブレーター、指圧代用器、温きゅう器、磁気治療器、医療用物質生成器、近視眼矯正器
31 コンドーム、生理用品、家庭用医療用洗浄器
32 防虫剤、殺虫剤、防臭剤、脱臭剤(医薬品を除く)、かび防止剤、防湿剤
33 化粧品、毛髪用剤、石けん(医薬品を除く)、浴用剤、合成洗剤、洗浄剤、つや出し剤、ワックス、靴クリーム、歯ブラシ
34 衣服、和服、靴下、たび、帽子、手袋、毛皮製衣服
35 ネクタイ、マフラー、ハンドバッグ、かばん、傘、つえ、サングラス(視力補正用を除く)等身の回り品、指輪、ネックレス、カフスボタン等身辺細貨、喫煙具、化粧用具
36 履物
37 床敷物、カーテン、寝具、テーブル掛け、タオル等家庭用繊維製品、壁紙
38 家具及びついたて、びょうぶ、傘立て、金庫、ロッカーその他の装備品並びに家庭用洗濯用具、屋内装飾品その他の住生活用品

住宅に附属して屋外に設置するバルコニー、車庫、物置その他これらに類する簡易なプレハブ式の工作物の部材
39 ストーブ、温風機等暖房用具、レンジ、天火、こんろ等料理用具、湯沸かし器(電気加熱式を除く)、太陽熱利用冷温熱装置、バーナー(除草に使えるもの)
40 浴槽、台所流し、便器、浄化槽、焼却炉等衛生用器具、設備とこれらの部品、付属品
41 融雪機、家庭用融雪設備
42 なべ、かま、湯沸かし等台所用具、食卓用ナイフ、食器、魔法瓶等食卓用具
43 囲碁用具、将棋用具等室内娯楽用具
44 おもちゃ、人形
45 釣漁具、テント、運動用具
46 滑り台、ぶらんこ、鉄棒、子供用車両
47 新聞紙(株式会社または有限会社の発行するものに限る)、雑誌、書籍、地図
48 地球儀、写真(印刷したものを含む)、書画、版画の複製品
49 磁気記録媒体、蓄音機用レコード、磁気的または光学的方法で音、影像、プログラムを記録した物
50 シャープペンシル、万年筆、ボールペン、インクスタンド、定規等事務用品、印章、印肉、アルバム、絵画用品
51 楽器
52 かつら
53 神棚、仏壇、仏具、祭壇、祭具
54 砂利、庭石、墓石等石材製品
55 絵画、彫刻等美術工芸品、メダル等収集品

指定権利 (クーリングオフできる権利)
1 保養施設、スポーツ施設を利用する権利
2 映画、演劇、音楽、スポーツ、写真又は絵画、彫刻その他の美術工芸品を鑑賞し、又は観覧する権利
3 語学の教授を受ける権利

指定役務 (クーリングオフできるサービス)
1 庭の改良
2 物品の貸与

家庭用ミシン、複写機、ワードプロセッサー、消火器、火災警報器、ガス漏れ警報機、防犯警報機、家庭用医療用洗浄器、ラジオ受信機、テレビジョン受信機、電気冷蔵庫、電気冷房機等家庭用電気機械器具、電圧調整器、電話機、ファクシミリ装置、電子計算機、家庭用電気治療器、磁気治療器、近視眼矯正器、衣服、寝具、浄水器、楽器
3 保養施設、スポーツ施設の利用
4 住居または以下の物品の清掃

エアコンディショナー、換気扇、床敷物、布団、太陽熱利用冷温熱装置、ふろがま、浴槽、台所流し、便器、浄化槽、給水管、排水管、焼却炉等衛生用器具・設備
5 人の皮膚を清潔・美化し、体型を整え、または体重を減ずるための施術を行うこと(美顔、除毛、痩身、姿勢矯正、減量等)
6 墓地、納骨堂の使用
7 眼鏡、かつらの調整、衣服の仕立て
8 物品の取り付け、設置

障子、雨戸、門扉等建具、太陽光発電装置、家庭用医療用洗浄器、ラジオ受信機、テレビジョン受信機、電気冷蔵庫、電気冷房機等家庭用電気機械器具、照明器具、漏電遮断機、電圧調整器、電話機、インターホン、ファクシミリ装置、アマチュア無線用機器、れんが、かわら、コンクリートブロック、屋根用パネル、壁用パネル等建築用パネル、浴槽、台所流し、便器、浄化槽、給水管、排水管、焼却炉等衛生用器具・設備、融雪機、家庭用融雪設備

住宅に附属して屋外に設置するバルコニー、車庫、物置その他これらに類する簡易なプレハブ式の組み立て・設置
9 結婚、交際希望者への異性の紹介
10 易断を行うこと
11 映画、演劇、音楽、スポーツ、写真、絵画、彫刻その他の美術工芸品を鑑賞、観覧
12 家屋、門、以下の物品の修繕・改良障子、雨戸、門扉等建具、太陽光発電装置、家庭用ミシン、換気扇、履物、畳、布団、太陽熱利用冷温熱装置、ふろがま、浴槽、台所流し、便器、浄化槽、排水管、焼却炉等衛生用器具・設備、神棚、仏壇、祭壇、祭具
13 プログラムを電子計算機に備えられたファイルに記録
14 名簿、人名録、その他の書籍、新聞、雑誌に氏名、経歴、個人情報の掲載、記録。これら当該情報の訂正、追加、削除、提供
15 土地の測量
16 家屋での有害動物、有害植物の防除
17 住宅への入居申し込み手続きの代行
18 技芸、知識の教授

注意事項
赤文字の政令指定消耗品は、使用・消費した場合、原則としてクーリングオフができなくなりますので取り扱いには十分注意してください。ただし例外的に、契約書面等に、こうした説明(消耗品の特則)が記載されていないときはクーリングオフができます。また、使用、消費の様態によっては、出来る場合もあるので、個別に検討する必要があります。

特定継続的役務の関連商品
1 エステティックサロン
動物及び植物の加工品(一般の飲食の用に供されないものに限る。)であつて、人が摂取するもの(医薬品を除く。)
化粧品、石けん(医薬品を除く。)及び浴用剤
下着
電気による刺激又は電磁波若しくは超音波を用いて人の皮膚を清潔にし又は美化する器具又は装置
2 語学教室
家庭教師
学習塾
書籍
磁気的方法又は光学的方法により音、影像又はプログラムを記録した物
ファクシミリ装置及びテレビ電話装置



何でもクーリングオフの対象になるかといえば、そうではなかったように、無期限に行使出来るわけでもありません。原則的な権利行使期間は下記のように個別に定められています。

販売方法・契約内容 クーリングオフ行使期間 注意すべき点
訪問販売 法定の契約書面の交付日から8日間 店舗外での指定商品・権利・役務の取引(3000円未満の現金取引を除く)
ただし、キャッチセールス、アポイント商法、催眠商法の場合は、店舗での契約でもクーリングオフできますのであきらめないでください。
電話勧誘販売 法定の契約書面の交付日から8日間
指定商品・サービスは訪問販売と同じです。
割賦販売 クーリングオフ制度の告知日から8日間 店舗外での指定商品のクレジット契約
連鎖販売取引 法定の契約書面の交付日または商品を受け取った日のどちらか遅い日から20日間 マルチ商法・モニター商法全ての商品・権利・役務
特定継続的役務 法定の契約書面の交付日から8日間 エステ、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚情報サービス、パソコン教室の6業種クーリングオフできる期間が経過していても中途解約できますのであきらめないでください。
業務提供誘引販売 法定の契約書面の交付日から20日間 仕事の提供を約束して、仕事に必要な物品等の対価や登録料等の金銭負担をさせる取引在宅ワークの勧誘、内職商法など
海外先物取引 海外先物取引の基本契約締結の翌日から14日間 事務所以外での取引で、指定市場・商品の売買注文
投資顧問契約 法定の契約書面を交付日から10日間 投資顧問業者(許可業者)との契約ただし、清算義務あります。
現物まがい商法 法定の契約書面の交付日から14日間 特定商品・施設利用権の預託取引
宅地建物取引 クーリングオフ制度の告知日から8日間 宅地建物取引業者が売主である宅地建物の売買で店舗外での取引
ゴルフ場会員契約 法定の契約書面の交付日から8日間 金50万円以上のゴルフ会員権でオープン前の新規募集
生命保険契約 法定の契約書面の交付日または申込みをした日のどちらか遅い日から8日間 営業所等以外の場所での保険期間1年を超える生命保険・損害保険契約ただし、医師の審査を受けた場合は適用されないので注意が必要です

権利行使期間について重要点をあげておきます。
@ 権利行使期間の起算点について。
  クーリングオフの権利行使期間は、契約日からではなく、法定書面(契約書面等)を受け取った日等から起算されます。この点が非常に重要です。
A 権利行使期間の例外について。
・法定書面が交付されていない場合は、いつまでもクーリングオフできるケースがあります。
・書面が交付されていても、記載事項に不備や虚偽がある場合には、適法な法定書面が交付されるまでいつまでもクーリングオフが可能なケースがあります。

このAの例外は重要ですので、期間が過ぎてしまったからと諦めないでください


下記商品は、クーリングオフが原則としてできませんが、法律上クーリングオフ対象外であっても、業者が独自にクーリングオフできる旨の定めをしている場合は可能です。

1 契約内容が指定商品・指定権利・指定役務ではない場合(訪問販売・電話勧誘販売・割賦販売の場合)
2 商品価値の回復が困難になるほど商品を使い切ってしまった場合
3 指定消耗品(健康食品や化粧品など)を使用したり、全部または一部を消費した場合
4 クーリングオフ期間を過ぎてしまった場合
5 3,000円未満の現金取引の場合(契約後に商品の引渡しや代金の一部の支払いをする場合を除く)
6 商品が適用除外品の場合
7 通信販売の場合(電話勧誘、訪問勧誘等を受けた場合を除く)
8 営業のため、または、営業として商品等の申し込み、または、契約をした場合(連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引の場合を除く)
9 取引する意思を持って自分から業者を自宅に呼び寄せた場合
10 店舗販売業者が行ういわゆる御用聞き販売の場合
11 店舗販売業者が過去1年間に1回以上取引のあった顧客に対して自宅に訪問した場合
12 無店舗販売業者が過去1年間に2回以上訪問販売で取引のあった顧客に対して自宅に訪問した場合
13 業者が過去1年間に2回以上電話勧誘販売で取引のあった顧客に対して電話をかけた場合
14 事業所の管理者の書面による承認を受けて行った職場販売
15 外国にいて契約した場合
16 業者とその従業員との契約の場合
17 1ヶ月以内のエステティックサロンの契約、2ヶ月以内の語学教室・学習塾・家庭教師等の契約(電話勧誘・訪問販売等の場合を除く)
18 エステティックサロン、語学教室、学習塾、家庭教師等で5万円以内の契約(電話勧誘・訪問販売等の場合を除く)



クーリングオフの行使は必ず書面により行わなければなりません。その理由は、クーリングオフは期間内に発信しなければならないという点において、その日付の証明が重要であることや、消費者に無条件解除という強力な権利を与えていることから、業者とのトラブルの発生を避けるために書面による証拠を残す必要があるからです。通常の契約は口頭でも成立しますが、クーリングオフは、書面で行う必要があると理解してください。

書面なら、手紙であろうが、ルーズリーフでも構いませんが、これらでは、証拠としての効力が弱いです。そこで、通常利用するのが、内容証明郵便です。

内容証明郵便は手紙の差出日付と手紙文の内容を郵便局が公的に証明してくれるものですので、クーリングオフの意思表示をしたという書面による証拠およびクーリングオフ期間内に発信したという郵便局の通信日付印(確定日付)による証拠が確実に作れますので最適です。

内容証明は面倒くさいお考えの方もおられると思いますが、では、何故内容証明を利用するのかそのメリットをご説明いたします。

@ 有力な証拠になる。
  口頭で「クーリングオフをします」「はい、分かりました」とのやり取りがあったとしても、結局「言った」「聞いていない」も水掛論になってしまいます。これでは、自分の主張を証明する証拠が有りません。もし、内容証明を出しておけば、物的証拠が存在するので、もし裁判に発展したとしても自分主張の正当性を証明できます。
A 発信日付が明確である。
  書面を発信した時点でクーリングオフの効果が生じます。内容証明郵便を使えば、発信した日付を確実に証明することができます。つまり、クーリングオフ期間を過ぎてから業者に通知が届いても、または業者が書面の受け取りを拒否しても、内容証明郵便がクーリングオフの証拠となるので契約解除が成立していることになります。                
B 相手にこちらの姿勢を伝える
  内容証明が突然届いたらどうですか?ビックリしませんか?語弊がある言い方ですが、内容証明は、相手に心理的な脅しをかけ、こちらの姿勢を伝えることの出来る合法的手段なのです。




以上のように簡単にクーリングオフ制度のないようをご説明して参りましたが、クーリングオフは、事例を個別具体的に検討する必要があります。ですから、もしご不明な点、疑問点がみつかりましたら、お気軽にお問い合わせください。


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